みなさん、こんにちは! 喜三郎じゃ!
今日はのう、虹の橋を渡る前にお別れのあいさつをしに来たんじゃ。
ワシは2017年にピースワンコに来たんじゃ。ちょうど5年くらい前じゃの。その時ももう10歳くらいでの。まだまだ若いもんには負けんぞ! と思ってた気持ちもあって、とっても荒れとったんじゃ。スタッフさんにも周りのワンコにも噛みつくし、ごはんも「ワシのじゃ!」いうて必要以上に守ってしまってな。注射とか痛いのも嫌でのう・・・。毎年の予防接種とかもいただけんかった。ちゃんと受けたがの。
そんなワシを見て、ちょっとこいつは他のワンコと一緒に暮らせんぞ、とスタッフさんも思ったんじゃろうな。しばらくして一人部屋に入れてもらったんじゃ。一人の部屋は気ままに過ごせて快適でな。気を許せるスタッフさんもできたんじゃ。周りは敵だらけじゃと思うて生きとったワシにとっては大きな変化じゃった。今まで感じたことなかった気持ち・・・安心感っていうんかのう? 心がぽかぽかして温かかったんじゃ。
ただその後ちょくちょくと病気が見つかっての、手術もしたんじゃ。注射ですらイヤなのに手術だなんて、ワシとっても頑張ったと思うたわ。初めての手術でもう痛いのも怖いのもこりごりじゃと思うとったら、また数年後、もう一回身体の中に悪いもんが見つかったって言われてしまったんじゃ。これが去年の秋ごろじゃ。なんなら一個大きいのがあるけど、もっとたくさん身体の中にあるかもとも言われてのう。でもさすがにこいつは手術じゃ取れん言われて内心ホッとしたんじゃ。ワシももう年じゃしな。そろそろお迎えも近いんかなと思うとった。
そしたら冬が来て一気に寒うなってのう。神石よりもっと北側にある西山の冬は毎年のことじゃけど、やっぱり寒かった。そこでまた体調を崩してしまってのう。思うように動けなくなったワシの近くにスタッフさんがストーブを置いてくれたり、夜もつきっきりで寒くないように気にかけてくれてな。本当にありがたかった。
旅立ちの少し前にはのぅ、お母さんから、なんと誕生日ケーキが届いたんじゃ。食欲がだいぶ落ちとったけどケーキは美味しゅうてのぅ。ケーキをモリモリ食べながら色んなことを思い返したんじゃ。ここに来る前のこと、ピースワンコに来てスタッフさんと毎日たっくさん遊んだこと、遠くにお父さん、お母さんが沢山できたこと。ある日お母さんが会いに来てくれたこともあった!
そんなことを思いながら、ある日目が覚めた時には身体が浮いて雪一面の世界を見下ろしとったんじゃ。あぁこんな感じなんじゃのう、って思ったんじゃ。ワシにとってピースワンコで過ごしたことは犬生の中でとっても大きな出来事じゃった。まさかワシのこと、大切に思ってくれる人間がいっぱいいてくれるなんて思ってもみなかったのう。遠くから見守ってくれとったファミリーのみんなにも感謝でいっぱいじゃ。ありがとう。
これからは、ワシがみんなのことを見守る番じゃな。みんな、元気で暮らしての。たくさんの愛情をありがとう。
家族のみんな、喜三郎をこれまで応援してくれてありがとうございました。ジャイアンより🐾